腰椎椎間板ヘルニアの症状緩和と予防に有効な「姿勢のセルフチェック」

腰椎椎間板ヘルニアの症状緩和と予防に有効な「姿勢のセルフチェック」

腰痛になったことがない方には、その痛みや不快感を理解しづらいものです。でもどんな方にも腰痛に突然見舞われる可能性はあります。腰椎椎間板ヘルニアは、先天性要因がなくても発症する可能性が高く、若年層の方にも発症します。腰痛にこれまで縁がなかった方でも、いつなってもおかしくないのが椎間板ヘルニアなのです。

椎間板は腰椎の間に存在し、衝撃吸収材の役目を果たしています。椎間板自体は、繊維の塊(繊維輪)とそのなかにあるゼリー状の骨髄でできているのですが、これが様々な要因により所定の場所から飛び出してしまい、脊柱管を圧迫します。ただ、脊柱管を圧迫しているだけなら問題はないのですが、そのなかにある神経にまで圧迫が及ぶと、痛みや下肢のしびれを発症させます。

椎間板が所定の場所から突出する原因は色々あるのですが、やはり姿勢の悪さが発端となっていることが多いのです。ですから、たとえ今、腰痛に悩まされていないとしても、「姿勢が悪い」とよく指摘されている方は、少しずつでもその改善に努めて、腰椎椎間板ヘルニアにならないように心がけておいたほうが良いでしょう。

また対処療法などで、一時的に痛みから開放され軽快に向かっている場合でも、姿勢が改善されなければ、椎間板ヘルニアの再発を繰り返してしまうことになります。姿勢は悪い生活習慣として体に記憶されていますから、一時的に姿勢を矯正しても、すぐもとの慣れ親しんだ悪い姿勢に戻ってしまいます。そのため簡単な姿勢改善のポイントを頭に入れておいて、こまめにセルフチェックすることが欠かせません。

立った姿勢と椅子に座った姿勢をチェックする

姿勢改善は実際にやってみると、決して大変なことではないのですが、正しい姿勢が新しい生活習慣として定着するには、それを意識して継続する必要があります。

慢性の椎間板ヘルニアの方も、リハビリの一環としてあらためて自分の姿勢について見なおしていただけるように、正しい姿勢のポイントを整理してみたいと思います

1)立った時の正しい姿勢

立った時の正しい姿勢は、耳・肩・股関節・膝・踝といったそれぞれの通過ポイントを結んだ線が、直線で描かれていることが一般的に良い姿勢と言われています。ただしこの情報だけで、姿勢矯正を実践することは難しいでしょう。そこで、よく使われる正しい姿勢のチェック方法をご紹介しましょう。

【壁を利用して立った時の姿勢の歪みをチェックする】
これは文字通り、壁に背中を当てて姿勢の歪みをチェックするというもので、聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。ポイントは、非常に簡単で、壁に密着して立った際に、後頭部、背中、お尻、そして踵が壁にしっかり着いているかどうかをチェックするというものです。これは壁さえあれば、どこでもセルフチェックできますので、一日一回でもやってみると、腰に負担のかからない正しい立ち方を体で覚えていけるでしょう。

2)椅子に座る際の正しい姿勢

椅子に座る際の正しい姿勢は、座面に対して深く腰掛けて、お腹はこころもち引っ込めるような意識で背筋を伸ばして座ります。そして足裏は完全に床面に密着させて座りますが、この状態で膝の高さが座面より少し高いぐらいが、ベストな椅子の高さとなります。

これは、VDT作業のガイドラインでも指導されている座り方ですから、パソコンで長時間の作業をされる方なら、ご存知のことかも知れません。

なお猫背の方は椅子に深く腰掛けた際に腰と背もたれの間に隙間が出来る場合があります。このような方は、腰と背もたれとの間に、タオルなどを丸めてクッション代わりにしてあてがってあげると良いと言われています。

また机の高さが変えられない場合、仕方なく椅子の高さを高くしている方もいるのではないでしょうか。この場合は足台などを用意して、膝がベストな高さになるよう調整してみます。

それと長時間デスクワークをする方は、20分に一度は、椅子から立って腰を伸ばすようにしてください。20分に一度というのは結構多いと思うかも知れませんが、デスクワークはそれだけ腰への負担が大きいということなのです。

クルマを運転するときの姿勢をチェックする

営業マンなど、長時間クルマを運転する職業に従事している方にも、椎間板ヘルニアなどの腰痛に悩まされている方は多いですが、専業ドライバーの方ほど、腰を傷めない座り方を確実に守っているものです。ドライバーの腰痛は、就業不能リスクに直結することになるわけですから、腰に負担をかけないドライビングを心がけることも仕事のうちということでしょう。

3)シートに腰掛ける際の姿勢

クルマでのシートの座り方も、基本は普通の椅子の座り方と同じです。クルマの解説書等にも記載されていますが、シートには深く腰掛けて、膝の高さが股関節より高い位置にくるようにシートの位置を調整してください。シートを後ろに下げすぎると、膝の位置が低くなるだけでなく、足を伸ばしてペダルを踏むことになりますので、安全面からみても良くありません。

また背もたれと座面の角度は90度近くにセットします。運転中に背もたれを後ろに倒しすぎると、背骨や腰に負担がかかり、腰痛を招きやすい姿勢と言えます。

寝具選びも重要

寝る時の姿勢を、意識的にコントロールすることは不可能ですが、腰痛の緩和のために適切な寝具を選ぶことはとても大事なことです。

4)腰痛持ちの方が寝具を選ぶ際のポイント

慢性の腰痛の方が、寝る際の姿勢としてできるだけ避けたいのは、お尻と背中が沈んでしまっている状態です。お尻と背中が沈んでしまうと、腰椎は、お腹の裏側あたりの前方への湾曲が強くなり、生理湾曲が崩れて腰を痛める原因となります。寝具を選ぶ際は、お尻と背中が沈まないことをチェックして選んでください。

幸い腰痛にやさしい寝具が、いまは数多く販売されていて、体が比較的均一に、自然に沈んでくれる寝具なども、手頃な価格で買えるようになってきています。こうした寝具は、椎間板ヘルニアなどが慢性化している方だけでなく、仕事などで腰に疲労が溜まりやすい方にもおすすめです。腰痛予防の意味でも、寝具にこだわってみてはいかがでしょうか。