椎間板ヘルニアの保存療法

椎間板ヘルニアの保存療法

腰痛の治療は、ひどい歩行障害や排尿障害が見られない限り、保存療法で直していきます。腰痛のなかでも幅広い年代で悩んでいる方が多い椎間板ヘルニアのケースで、どのような保存療法が行われるのかを、整理してみましょう。

整形外科で正確な診断を

まず治療を進める前に、椎間板ヘルニアであるかどうかをきちんと診断しなければなりません。アマチュアの方でもスポーツをしている方のなかには、行きつけになっている整骨院などがあるかも知れません。でも腰痛できちんと診断してもらうという場合は、真っ先に整形外科に行き、レントゲン、またはMRIによる正確な診察を受けることがスタートラインとなります。当たり前ですが、腰の中は外からでは見えませんので、ここを省いてはいけません。鍼灸・マッサージのほうが自分には向いているといっても、それは後からでも通うことができますので、かならず写真をとってしっかり説明を受けてください。

急性期はまず冷やして炎症を取り除く

椎間板ヘルニアと診断されても、即手術となることはありません。手術となるようなケースでもまず痛みを取り除くことから治療ははじまります。椎間板ヘルニアの保存療法で痛みを取り除く治療としては薬物療法と理学療法があり、薬については、消炎鎮痛剤、しびれが強い場合は、ビタミンB12製剤、また血流を良くするためにプロスタグランジン製剤などが使われます。理学療法としては温熱療法が一般的です。なお、ぎっくり腰など急な腰痛に見舞われた場合は、まず患部をアイスパックや冷湿布などで冷やすというのが鉄則です。最初から温めると、炎症の引きが悪くなり、痛みがおさまるまでの時間も長くなります。椎間板ヘルニアの場合も、急にいたんだ場合は、血流を良くするより先に冷やすことを優先し、炎症がおさまって歩けるぐらいになってから今度は温めて血流を良くしていきます。急性の場合はまず冷やすと覚えておくと良いでしょう。

ストレッチで筋肉をほぐすだけでも痛みは改善される

椎間板ヘルニアで急に激しい痛みに襲われても、安静にして痛み止めをのんでいれば、早ければ2,3日で、長くても5日ほどで当初の激痛がおさまり、歩けるようにもなっているでしょう。はじめは無理をしてはいけませんが、痛みがおさまり普通に歩けるようになったら、ストレッチで筋肉をほぐすようにしていきます。またストレッチを行う場合は、かならず有資格者・専門職の方に指導を受けて行うようにしてください。
個人差はありますが、椎間板ヘルニアでしびれなどがある場合は、お尻や腿の裏側の筋肉が張っているものですから、こうした張りをストレッチでほぐすだけでも痛みが少なくなります。一度ほぐれた筋肉はすぐにまた張ってしまうものですから、まめにストレッチを繰り返していくと良いでしょう。それと同時に筋肉を冷やさないように注意してください。

筋力強化のために歩く習慣を

ストレッチとともに大事なのが、筋肉を強化することです。ただし筋肉を強化するといっても、腰痛改善の筋肉強化はインナーマッスルに重点が置かれますので、無理な運動やハードな運動はしません。筋肉強化のエクササイズは、整形外科のリハビリ部門でも指導してくれる場合がありますが、基本は自分の意志で日ごろの生活のなかで強化していくしかありません。

いちばん簡単で間違いのないエクササイズは一般の方なら歩くことです。スポーツをしている以外の方で椎間板ヘルニアになったという方は、普段から運動不足で歩く機会も少ないのではないでしょうか。痛みのあるうちは無理をしてはいけませんが、歩くだけでも腰痛予防の筋力強化ができますので、ぜひ取組んでみてください。

なお一連の保存療法の効果があまり見られない場合は、整体で骨盤矯正をすることで、腰痛が軽快に向かうケースもあります。保存療法とは別のものですが、思い当たることがある方は、評判の良い治療院を紹介してもらうということも考えてみると良いでしょう。

他にも、あまりに痛みがひどい場合は、神経を麻酔でブロックする神経ブロックや、腰に小さな穴を開けて、椎間板にレーザー照射を行い、神経を圧迫している椎間板を小さくするPLDD療法というものもあります。

このように色々な保存療法がありますから、一般の方が、椎間板ヘルニアで手術をするということは少なくなっています。それでも、スポーツ競技に真剣に取り組んでいる方で、手術によって完治を目指したいという場合は、術後のリハビリのことや手術を受けるデメリットについても医師から説明を受けて検討してみてください。