変成した椎間板は正常化することがある

変成した椎間板は正常化することがある

椎間板ヘルニアは、腰椎を構成している椎骨の間にあり、クッションの役割を果たしている軟骨と似た特性を持つ椎間板の変成によっておこる腰痛症です。画像検査で、椎間板に変成が見られることは多いのですが、神経を圧迫していないのであれば、特に問題はないとみます。ただしその状態を放置して、日常の悪い習慣を改善しなければ、ヘルニアが神経に対して悪さをするようになる可能性はあります。

椎間板ヘルニアの痛みを取り除くには、急性期では消炎鎮痛薬が用いられますが、根治的な治療としては、神経への圧迫を取り除く必要があります。ただし神経への圧迫を取り除くには、外科的治療しか方法がないわけではありません。

現在、軟骨には再生能力があることが分かってきています。椎間板は軟骨ではありせんが、組織の外側は軟骨とほぼ同じものです。変成した椎間板が再び安定した状態に戻り、神経を圧迫しなくなるということは決して珍しいことではないのです。

椎間板を取り巻く環境変化は意外に早く訪れる

椎間板は私たちがとる姿勢に合わせてかたちを変える性質を持ちます。この性質があることで、私たちは色々な姿勢を比較的自由にとることができるわけです。

椎間板は3つの組織から成っており、それは中央部にある髄核と呼ばれるボール状の部分、そして髄核を包む線維輪、そして椎間板の上下にある軟膏性の終板の3つです。

中央にある髄核は弾力性に富む組織ですが、加齢とともに変成が見られるようになり、弾力性が失われていきます。

また椎間板に栄養を運んでいる血管は30歳ぐらいまでには消失してしまうようで、椎間板への栄養供給と老廃物代謝はリンパ液と細胞外液の循環に頼らざるを得なくなるということです。こうした加齢変化によって、椎間板かかる負担は、若い頃より大きくなります。働き盛りの年代に、ヘルニアが多くみられるのは、椎間板を取り巻く環境の変化が、意外と早くやってくることも原因があると言えるでしょう。

背骨の状態が正常に戻ると椎間板にも良い変化が

擦り減った軟骨が再生能力を発揮するには、関節の位置や角度を正常に戻すことが欠かせない条件になるそうです。これを椎間板と腰椎に置き換えて考えると、背骨が正常な位置に戻してあげるということになります。これはカイロプラティック治療では一般的な考え方ですし、姿勢を正しく保ち腰への負担を減らすことは、腰痛改善の基本です。

ごく基本的な姿勢や生活習慣の改善だけで椎間板が安定したり、再生するとは言えませんが、背骨の状態が正常になることで、椎間板の変成が正常になる例があることは、経験のある医師なら知られていることです。

腰痛や関節痛でも、人間の自然治癒力が発揮されるなら、治療に向きあうにしてもより希望が持てるのではないでしょうか。