腰椎椎間板ヘルニアの症状と診断

腰椎椎間板ヘルニアの症状と診断

腰椎椎間板ヘルニアは、突出したヘルニアが神経を圧迫することで様々な症状が出現しますが、その症状を整理すると、一般的な腰痛と、神経根を圧迫することによって生じる症状、馬尾神経を圧迫することで生じる症状に分類できます。

腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛の症状は、椎間板の変成と線維輪の破断が主な原因と考えられています。また椎間関節や背筋に向かって走っている神経線維が障害を受けることも椎間板ヘルニアの腰痛を引き起こしているとも考えられています。

次に神経根を圧迫する症状ですが、神経根は下肢に向かって伸びる神経であり、神経根が阻害されると、下肢のしびれや痛みが出現するのが特徴となります。また神経根の圧迫障害は、左右片方の神経根であることが多いので、痛みを感じる姿勢があります。

馬尾神経は、腰椎脊柱管の中央を走っている神経で、走っている方向は下肢及び陰部です。そのため神経根同様下肢のしびれが発生するわけですが、同時に直腸膀胱障害の原因にもなっています。馬尾神経の圧迫障害は、神経圧迫が強いことから、場合によっては直ちに手術を要することもあります。
腰痛症に多くみられる直腸膀胱障害は、一般的に排尿遅延・残尿感、便秘などですが、排泄障害が強くなると閉尿となり、この状態に進行すると手術が勧められます。

なお、腰椎椎間板ヘルニアの診断は、レントゲンやMRI検査が必須となりますが、『SLRテスト(下肢伸展挙上テスト)』や『FNSTテスト(大腿神経伸長テスト)』などを用いて診断することもできます。

『SLRテスト(下肢伸展挙上テスト)』は仰向けに寝た状態で、膝を伸ばしたまま片脚ずつ30度~70度の角度に持ち上げてもらい、痛みがあるかどうかをみます。ただし高齢者では、椎間板ヘルニアになっていても、神経緊張度が高くないことから、痛みがでない場合もあります。

いっぽう『FNSTテスト(大腿神経伸長テスト)』は、腰椎の比較的上方で椎間板ヘルニアが生じている場合に有効な診断方法で、患者さんに腹臥位になってもらい、腿を固定した上で膝を90度曲げ、下腿を上方に引き上げることにより股関節を伸展させ、痛みがあるかどうかをみます。