ヘルニアのタイプと腰椎椎間板ヘルニアの自然縮小

ヘルニアのタイプと腰椎椎間板ヘルニアの自然縮小

画像検査が発達したことで。椎間板ヘルニアが自然縮小することは分かってきたわけですが、その原因が何なのかは、未だ明確に説明できていません。ただしライソゾーム酵素によって細胞内で消化する機構と、ライソゾーム酵素を細胞外に放出して異物を分解する機構が存在していることによるものというところまでは、分かってきているようです。

ただし腰痛患者にとって大事なのは、腰椎椎間板ヘルニアが縮小するメカニズムではなく、本当に縮小すると考えて良いかどうかであります。これについても、まだ完全にあきらかにはなっていないようですが、ヘルニアの種類によっては縮小が期待できないものもあるようです。タイプで言うと、「extrusion type(脱出型)」や「sequestration type(遊離型)」は痛みが緩和される程度にまで自然縮小すると考えて良いようです。
逆に同じヘルニアでも自然消失しづらいのは「protrusion type」や「bulging type」などの膨隆型であると考えられています。

自分のヘルニアがどのタイプであるか、自然縮小が期待できるタイプかどうかは、画像検査をもとに医師のほうで診断・説明してもらえますので、勝手な自己判断をしないで、まず正しい検査を行うことが先決です。通常はどのタイプのヘルニアであっても、保存療法で経過をみますので、膨張型のヘルニアと診断されても、うまく症状が軽快に向かうことも十分考えられます。まずはじっくりと(概ね3ヶ月)保存療法に専念することが大事です。

なおヘルニアのタイプについてですが、脱出型は、後方線維輪の裂隙中に髄核の一部が転位し、後縦靭帯を持ち上げる状態にあるヘルニアの状態で、後縦靭帯を穿破していない「subligamentous extrusion」と、髄核の一部が後縦靭帯を破り、ヘルニアが自噴した状態の「transligamentous extrusion」があり、後者は癒着した硬膜をも破り、硬膜内に脱出することも稀にみられます。遊離型は、脱出型ヘルニアでヘルニア腫瘤が元の椎間板から離れて脊柱管内に転位したものです。じつはこのタイプが、症状も強く出るため、手術に及ぶケースも多いのですが、反対に縮小が期待できるヘルニアでもあるので、初期症状は強いが結局手術をしないですんだということがこのタイプではあり得るというわけです。

膨隆型は、後方線維輪の裂隙部に髄核の一部が移行するも、表層の線維輪は保たれ、線維輪の部分断裂の状態というものです。