腰椎分離症・すべり症の不思議

腰椎分離症・すべり症の不思議

少し古いデータですが、日本腰痛学会が10年ほど前に65歳以上の高齢女性を約100人調査したところ、約3割に外科的所見では腰椎すべり症と診断されました。
しかし、腰痛を訴える人の比率は腰椎すべり症と診断された方が低かったと言います。
このことは、単に骨だけの問題で腰痛が発生していることを意味しないことになります。

腰椎分離症・すべり症は、脊椎を構成している椎骨の一部である椎弓が骨折したり、正常な位置からずれることで神経を圧迫し痛みが生じるとされています。
しかし、現実は単に外科的に症状が現れていても、必ずしも神経を圧迫するわけでないこと、また外科的な所見が見られなくても痛みがあることは、別の原因によることを意味しています。

腰椎分離症・すべり症は、一般的には、長時間の同じ姿勢を続けていた後、または腰に負担のかかる重労働後に痛みが現れやすい、身体を反らさせる姿勢で痛みがひどくなります。
腰椎分離症は、骨が疲労骨折して、離れたままの状態になっています。
腰椎の下部、4番目、5番目、そしてそれに続く仙骨で良く見られます。
腰椎すべり症は、背骨を横から見ると腰のあたりで前方へカーブを描いていますが、その背骨の一部が更に前方へ飛び出している状態です。
腰椎分離症だけでは、痛みが現れないことも多いですが、腰椎すべり症では、症状が現れやすくなり、進行すると脊柱管狭窄症となることもあります。
症状は、急激に痛みがでることはなく、徐々に強まっていきます。

整形外科的には、痛みがひどくなければ、保存療法で安静や薬物療法、理学療法がおこなわれます。
痛みがひどい場合はブロック注射が行われます。
これらの治療を継続しても痛みがひどい、もしくはなくならない時は手術が検討されます。
これらの治療は、主に神経圧迫を前提として行われています。
しかし、保存療法で症状が改善しない場合は、最初に述べたとように必ずしも神経圧迫が骨の関係だけで起きているとは思えないので、腰の周りの筋肉の緊張を緩和させることで症状の改善が期待できます。
外科的に明らかに異常が見られる場合を除き、痛みがなかなか取れない場合は、整体や鍼灸治療を受けてみることで改善効果が期待できます。