椎間板ヘルニアのパターンと症状

椎間板ヘルニアのパターンと症状

椎間板ヘルニアの典型的な症状として、最も多いのは片側の下肢のしびれと、臀部から足にかけての激痛で、ヘルニアの突出が大きい場合やヘルニアの突出場所によってはしびれや痛みが両足に及ぶことがあります。
椎間板ヘルニアには、ヘルニアの突出の仕方によって幾つかのパターンがあります

【膨隆型】

膨隆型の椎間板ヘルニアは、潜在性ヘルニアとも呼ばれます。
繊維輪に亀裂が無く、髄核が外に飛び出していない状態で、髄核と繊維輪が一緒に膨れ出る椎間板ヘルニアです。

繊維輪の出っ張りの部分と後縦靭帯が共に盛り上り神経を圧迫します。

膨隆型のヘルニアの症状は個人差がありますが、下肢の痛みより腰の痛みを訴えるケースが多いといわれます。
これは膨隆型の場合は椎間板の内圧が高いためです。

また膨隆型の椎間板ヘルニアは、髄核が飛び出していない為、白血球中のマクロファージ(貧食細胞)が働かないことから、痛みやしびれといった症状が一般的に長引くケースが多いのが特徴です。

【脱出型】

椎間板ヘルニアというと、一般的にこの脱出型をイメージすると思います。
繊維輪に亀裂が入り、その亀裂から髄核が線維輪の外に完全に飛び出してしまっている状態のヘルニアです。

飛び出した髄核は、おもに神経根を圧迫するので、腰痛はもちろんですが、下肢のしびれが強く出てきます。
しかし、脱出型でも、後縦靱帯を破っていない場合は椎間板の内圧は高く、腰痛が激しい場合があります。

髄核が飛び出してしまっている脱出型の椎間板ヘルニアは、初期の症状は比較的強く出るのですが、膨隆型のヘルニアに比べて、痛みやしびれは意外に早く落ち着きます。

これは、髄核の飛び出した部分が炎症を起こし、白血球中のマクロファージ(貧食細胞)の働きが活発になるからです。
マクロファージは、飛び出した髄核を異物とみなし、食べてしまうため、数ヶ月も経てば神経を圧迫していた異物がなくなり症状が軽くなります。

脱出型の椎間板ヘルニアは、さらに突出の仕方によっても区分けされています。

「遊離型」
脱出した髄核が存在していた椎間板から離れて脊柱管内に遊離してしまうものです。
遊離した髄核は神経根を刺激するので、下肢を中心とした痛みとしびれが出やすくなります。
このタイプも、白血球中のマクロファージ(貧食細胞)の働きが期待できるヘルニアです。

「中心性」
このパターンの場合、髄核の出方が、腰椎の断面を上からみた時に、時計の針で言う12時の方向に脱出します。
つまり、椎間板が真後ろ(中心)に向かって脱出する為、背髄神経本体を圧迫するもので、腰を丸めた状態で痛みが増します。

まっすぐ中心に飛び出ることは稀なのですが、このパターンのヘルニアは、両足に痛みやしびれが出たり、強い腹痛があるなど、ほかの脱出型とは違った症状を起こすことがあります。
また、病状が進行していない段階から排尿障害を起こしやすいということもあり、ヘルニアのパターンとしては厄介なケースと言えます。

このように椎間板ヘルニアは、髄核の出方によって症状に違いがあり、症状によってある程度の判断ができるのですが、初期診断はMRI検査などで精査し、ヘルニアのパターンをはっきりとさせる必要があります。