整形外科分野で用いられる牽引療法

整形外科分野で用いられる牽引療法

牽引とは大きく引っ張ることですが、その牽引を治療として用いる牽引療法は、椎間板ヘルニアなどの治療によく用いられます。

牽引療法を部位別で分類すると、四肢牽引療法、脊椎牽引療法の2種があります。
さらに牽引方法別で分類すると、骨を直接牽引する直達(じきたつ)牽引法、皮膚を介して牽引する介達(かいたつ)牽引法の2種があります。

理学療法で用いられるのは、「脊椎牽引療法」においての「介達牽引」がほとんどです。
介達牽引は、整形外科分野の種々な疾患に広く応用されていて、目的は、皮膚に牽引力を働かせて、間接的に骨及び関節の疼痛緩和、整復、安静などを図ることで、椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患にもよく用いられる方法です。

【効果】

・安静・固定による動的因子の抑制(不安定な部分を固定する)
・椎間関節周囲軟部組織の伸張
・椎間板・椎間関節の軽度の変位の矯正(位置を正す)
・椎間関節の離開(引き離す)し負荷を減らす
・椎間孔の拡大化 (広げる)
・ストレッチ効果による攣縮筋(れんしゅくきん)の弛緩(凝り固まっている筋肉の緊張をほぐす)
・マッサージ効果による循環改善および亢進(血のめぐりをよくする)
・心理的効果(精神状態の安定)がある

等があると言われています。

【牽引時間による分類】

・持続牽引・・・数時間以上の牽引が必要な場合に行います
・間欠牽引・・・秒単位で牽引と休止時間を設定して行なう方法です。通院の場合通常この方法が行われます。

【使用制限】

以下の場合に牽引療法は行なってはいけません。

・全身の体力が衰えている
・急性期にあって疼痛や炎症症状が著しい
・脊椎分離症、すべり症の症状が著しいもの
・脊椎カリエス、リウマチなど炎症性脊椎疾患
・骨粗鬆症が激しい
・坐骨神経痛の症状が著しいもの
・腫瘍が骨転移して起こる腰痛
・動脈硬化が著しい

などですが、牽引を行なうことで症状が悪化する場合にはただちに中止しなければなりません。