腰椎椎間板ヘルニアの治療

腰椎椎間板ヘルニアの治療

腰椎椎間板ヘルニアは、日常生活に支障をきたすような排泄障害などが無い限り、手術はしないで保存療法で治療を行います。

腰椎椎間板ヘルニアを経験した方はお判りでしょうが、あまりの痛さに何事が起ったのかと思いとても不安になると思います。

「治るのだろうか」「仕事は続けられるのだろうか」などと心配してしまいます。
しかし、椎間板ヘルニアの場合は、急性期の痛みがある時には安静を心がけ、医師から投与された鎮痛剤の服用やコルセットの装着などで激しい痛みは軽減されていきます。

その後は、徐々にゆっくりと生活をしていくうちに、6カ月ほど経過すれば症状はかなり改善されてきます。
安静にしすぎると日常生活に復帰するのが遅くなることが多いようです。

下肢の神経痛が強いときには硬膜外ブロック療法が効果的ですが、経験豊富な医師が行う必要があり、その見極めが重要です。

治療の間は、日常生活の注意も大切です。
腰に負担がかかるような重いものを持たない、同じ姿勢を続けない、背中をそらした格好を続けない、など色々注意することはあります。

また、痛みが軽減され手からは、少しずつ簡単な運動をして体を動かしていくようにします。
腰痛体操と称されるものは世の中にはいっぱいありますが、あまり難しく考えることはありません。
体を前後、左右、にゆっくり動かすことがまず大切で、両手を天井に向かって伸ばして背筋を伸ばすといったストレッチを時々することが一番大切です。

医師は腹筋と背筋を鍛えなさいというかもわかりません。勿論、腹筋・背筋を鍛える事で腰椎にかかる負荷を軽減することは大切です。

しかし、患者さんによっては体操でさえきついばあいがあり、また体操で筋肉を鍛えてそれを継続することはかなり強い意志が必要となります。
30分程度のウオーキングを継続的に行なう事でも、腹筋・背筋は充分に強化できます。

コルセットの使用は急性期の痛みには効果的です。
コルセットによって腰部を固定する事ができるほかに、周りから締めることにより内臓などの柔らかい組織でも上半身の体重を受け止めることができるようになり、腰椎にかかる負荷を軽減することができます。

しかし、あまりコルセットに頼りすぎると、かえって腹筋や背筋が弱る可能性がありますので、常時の使用は避けて、外出する時のみとか仕事の時だけ使用するようにした方がよいでしょう。

リハビリですが、急性期の痛みがある時以外は基本的には暖めて冷やさない方がよいとされ、ホットパック、マイクロ波などでの温熱療法が用いられます。

腰椎牽引は賛否両論があり、必ずしも効果があるとはいえないようです。
中年以降の腰椎椎間板ヘルニアは加齢による変性現象が加わっていることが多く、牽引してもあまり効果がないか、むしろ悪影響を与えることもあります。
むしろ、軽い体操などの方が効果的で必要なことかもわかりません。

このような保存的治療を1~3ヶ月行なっても痛みが強くて生活に困る場合、足関節が背屈できないなどの運動麻痺があったり、排尿・排便障害などの膀胱直腸障害がある場合は手術が必要なことがあります。