手術後注意する点

手術後注意する点

腰椎椎間板ヘルニアは、手術をしなくても自然治癒することが多い疾患です。
しかし、腰痛や下肢痛・しびれがひどく、特に歩行困難や排泄障害を引き起こしているケースでは手術が行なわれます。

また、患者の希望で、早急に仕事に復帰したい場合などは、低侵襲の内視鏡手術が行なわれることもあります。

椎間板ヘルニアの手術は、除去術と固定術に大別され、症状に応じて適切な手術方法が選択されます。

ただし残念ながら、手術をしてもヘルニアは再発するリスクがあり、また時間が経過するとまた痛みが発生することもあります。

腰椎椎間板ヘルニアの手術で取り除けるのは、多くても飛び出した髄核の半分程度だといわれていて、術後も半分ほどの髄核は残ることとなり、これが将来また神経を圧迫する可能性があるのです。

なぜすべてのヘルニアが除去できないのかというと、椎間板は太い動脈と静脈に取り囲まれているために、無理をすれば血管が損傷し、手術による失血死の危険性があるからです。
つまり、椎間板ヘルニアは再発するものなのだと理解した上で手術を受ける必要があります。
ただし、術後においては、自らのケア(生活習慣の改善など)で、そのリスクは低くなることも確かです。

では術後のライフスタイルをどのようにケアすれば良いでしょうか。
重要な事項として、体重を減らすことがあげられます。
関節や椎間板は重力がかかる部位ほど変性が進みます。
この変性のスピードを遅らせるためには、まずは体重を減らすことです。
減量が無理な場合は、少なくとも体重を増やさないように心がけるようにします。

次には筋力の強化です。
上半身の体重がかかってくる腰椎への負担を軽減するには、筋肉は重要な役割を果たします。

強引な言い方ですが、強靭な筋肉さえあれば、背骨がなくても胴体を支えることができるのです。
逆に筋肉が弱く、張りの少ない胴体は、体を支える為に背骨に多くを依存しなければなりません。
健康で強い筋肉は、腰椎や椎間板の為には重要なポイントなのです。
ただし、術後間もない時期で完全ではない腰でハードな運動をする事は禁物です。

筋力をつけるのに、ハードなトレーニングは必要ありません。
正しい姿勢で、継続的にウォーキングをすれば十分です。

温水プールでの水中歩行なら、腰に負担がかからないので、より良い方法といえます。
もちろん水泳も筋力強化になりますので、泳げる方は水泳でもいいのですが平泳ぎ、バタフライは、腰への負担を強めますのでしないようにしてください。

いずれにしても、継続して行う事が一番重要なのです。

また、喫煙習慣のある方は禁煙をお願いします。
ニコチンが全身の結合組織の老化を早めることは研究結果によっても裏付けられており、椎間板の変性も進めてしまいます。
これを禁煙の良い機会と考えて取り組んでみてはいかがでしょうか。